
【この記事の著者について】
・現役の福祉施設職員
・2級FP技能士(2025年3月取得)
・2018年10月に株式投資をスタート!
・投資のスタイル:長期保有(バイアンドホールド)が基本
・高配当銘柄が大好き!株主優待も大好き!
・「社会福祉士が成年後見人を目指すブログ」を運営中
特養の生活相談員の年収はどのくらい?
特別養護老人ホーム(特養)で働く生活相談員の年収は、全国的に見ると約350万円〜420万円前後が相場です。
これはあくまで常勤正社員のケースであり、非常勤や契約社員ではさらに下がる傾向があります。
年収相場の根拠は?
厚生労働省の「令和5年 賃金構造基本統計調査」や福祉人材センター、民間の求人情報サイトから得られるデータをもとにしています。
たとえば、東京都福祉人材センターの求人では、生活相談員の月給22万円〜28万円程度が主流。
賞与は**年間2.0〜3.5か月分(約40〜80万円)**と施設により大きく異なります。
年齢・経験別|生活相談員の年収イメージ
以下の表は、年齢・経験年数に応じた一般的な年収の目安です。
年齢層 | 勤務年数 | 月給目安 | 賞与(年) | 年収概算 |
---|---|---|---|---|
20代 | 1〜3年 | 約22万円 | 約40万円 | 約304万円 |
30代 | 4〜6年 | 約24万円 | 約50万円 | 約338万円 |
40代 | 7〜10年 | 約26万円 | 約60万円 | 約372万円 |
50代 | 10年以上 | 約28万円 | 約70万円 | 約406万円 |
※社会福祉士・介護支援専門員などの資格を保有していれば、これ以上の待遇になるケースもあります。
他職種と比べると?生活相談員のポジション
生活相談員は、現場のキーパーソンとして重要な役割を担う一方で、給与面では中間的なポジションといえます。
他職種との年収比較表
職種 | 平均年収(概算) | 備考 |
---|---|---|
特養・生活相談員 | 約350〜420万円 | 地域・法人により変動大 |
特養・介護福祉士 | 約320〜380万円 | 夜勤の有無で変動あり |
特養・看護師 | 約400〜500万円 | 准看か正看かによって差あり |
医療機関・MSW(医療ソーシャルワーカー) | 約400〜470万円 | 公立病院は比較的高待遇 |
地域包括支援センター職員 | 約400万円前後 | 公務員または委託職員の場合が多い |
年収が上がりにくい3つの理由
1. 介護報酬制度の構造的な課題
生活相談員は、加算対象(=収入増につながる業務)に直結しづらい職種です。
介護報酬は、介護職員配置や加算算定に重点が置かれており、相談業務は制度上「評価されにくい」傾向があります。
2. 昇給幅が狭い
多くの社会福祉法人では、昇給制度が年1回で1,000円〜5,000円程度。大幅なベースアップは難しく、10年勤めても月給数万円の差にしかならないこともあります。
3. 小規模法人では賞与が少ない
運営法人の規模や財務状況によっては、賞与が年1回・1か月分のみというケースもあります。結果として、年収が下振れする原因になります。
どうすれば年収を上げられる?4つの現実的な方法
1. 資格取得+役職を目指す(例:主任・施設長補佐)
社会福祉士・介護支援専門員の資格を取得すると、
主任相談員や管理職登用の可能性が高まり、役職手当(月2万〜5万円)や賞与増につながります。
昇格による年収アップ例
役職 | 月給目安 | 年収目安(賞与含む) |
---|---|---|
一般職 | 22〜26万円 | 約330〜380万円 |
主任相談員 | 27〜30万円 | 約400〜450万円 |
副施設長・管理職 | 30万円〜 | 約450〜500万円以上 |
2. 転職で待遇アップを狙う
転職市場では、同じ「生活相談員」でも条件が大きく異なります。
特に、首都圏や政令指定都市では年収400万円以上の求人も多数存在します。
転職サイトでは「賞与年3.5か月」「年収450万円」など、厚待遇の非公開求人も多いです。
→ ハローワーク・indeed・福祉人材センターを定期チェックしましょう。
3. 公的機関や地域包括支援センターを狙う
公務員枠や自治体委託職員の場合、年収400〜500万円の安定した待遇が得られます。
生活相談業務の経験はそのまま活かせるため、ステップアップ転職の候補になります。
4. 副業で収入源を増やす
最近では、福祉職が副業でブログ・YouTube・研修講師などを行う例も増えています。
特に、社会福祉士や介護福祉士としての経験を活かした情報発信は他職種より需要が高めです。
年収以外の魅力もある?生活相談員のやりがいとは
たとえ年収が高くなくても、生活相談員には他にない魅力があります。
- 利用者や家族から「ありがとう」と言われる達成感
- 他職種(介護士・看護師)との連携によるやりがい
- 利用者の「人生の最終章」を支える深い仕事
「収入」だけでなく「自分にとって価値ある働き方」を見つけることも大切です。
まとめ|生活相談員の年収は現状把握と戦略で変えられる
特養の生活相談員の年収は、全国平均で約350万円〜420万円と高くはないものの、
キャリア戦略次第で年収アップは十分に可能です。
- 資格+役職で昇給
- 転職で年収帯を上げる
- 自治体や包括支援センターへの転職
- 副業で収入の柱を増やす
「福祉職だから仕方ない」とあきらめず、選択肢を広げることが未来の年収アップにつながります。
この情報が、生活相談員としての将来設計の参考になれば幸いです。
ご希望があれば以下の関連記事も合わせてご活用ください(内部リンク推奨):
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- 「生活相談員の仕事って何をするの?1日のスケジュールで紹介」
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